2019年8月11日「火事から自分を守ろう」

7月は火事を伴う事件・事故がたくさんありましたね。京都アニメーション事件、大阪守口や茨城のアルミ工場の火災など連日火事についての報道がありましたね。今週は「火事から自分を守ろう」というテーマでお届けしました。

■今週の知っとこワードは「CRM(クルー・リソース・マネジメント)」でした。

クルー・リソース・マネージメントとは、略してCMRとも呼ばれ、もともとは、航空事故の教訓からチームワークの改善を図る目的のための訓練を意味する言葉で、クルーはコックピット(パイロット)、リソースは利用可能な全ての最適な方法を有効に活用することを意味し、パイロットの能力を高めより安全で効率的な運航を実現すること目的にするため導入されました。リソースには、管制官・キャビンアテンダントなども含まれます。チーム全員でチームとして能力を最大限に発揮できることを目指します。総務省消防庁でも消防防災ヘリコプターの安全運航体制の強化にCME(クルー・リソース・マネジメント)を導入しています。

●7月は本当に火災の映像をニュースで多く見ました。火災で亡くなられた方の年齢割合を平成30年消防白書を見てみました。

66歳からがぐっと平均を押し上げています。日本防災機構の資料でも2,017年における火災で亡くなった方は11,456人でその68%は住宅火災が占め985人でありうち高齢者の割合は72.7%でかつ夜間に逃げ遅れて死に至る高齢者数が70%を占めている。

■日本一短い手紙

・まずは火の用心、日本一短い手紙があります。家康の家臣本多重次から妻への手紙が有名ですね「一筆啓上火の用心お仙泣かすな馬肥やせ」一筆啓上は手紙を差し上げますという妻を敬う気持ちが込められています。まずは火の用心昔は木造が多かったので火災はとても怖いものだったのでしょう。お仙は泣かすなは息子の仙千代のことで子どもを大切に、馬をやせさせないように手入れを頼むという意味ですね。

■予防と対策

●予防

・火災警報器

2011年6月全ての家に全ての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。住宅の火災で亡くなった方の70%は逃げ遅れでそのうち65%が高齢者だったためそのことを考慮した対策でした。新築では消防検査などがあり義務化は可能ですが既存住宅は自分で設置しなけれなりません、ホームセンターでも販売していますので必ず設置するようにしてください。

取付の注意点は、プロパンガス(LPガス)は空気より重いため床面付近に設置してください。都市ガスは空気より軽いので天井面付近に取り付けるようにしてください。また電池の交換の際は火災警報器を新品に交換することをお勧めいたします。機器の故障で作動しないと困りますので。

・消火器の準備

消火器は消す目的物で種類が異なります。固形物A・電気C・液体Bのタイプがありますが一般の方が準備するのであればABC消火器がお勧めです。また家庭用の消火器は噴射時間が短く10秒~15秒程度です、噴射距離も3m~4mと短いためこれらのことを考慮して消火に当たらなければなりません。またTVなどでも紹介された投げるだけの消火器ボンブライトなどの消火器もあります。

●対策

・消火の注意点

初期消火、万一火災を発見したらべきことが3つあります。「通報」「消火」「避難(避難誘導)」の3つどれを優先するかは延焼状況によりますがこの判断を誤ると命を亡くすことにつながってしましいます。

まず火災が発生したら「火事だ!」と大声で近くの人に知らせるとともに火が小さいうちに消火しますが大切なことは、初期消火の限界を知っておくことです。消火するか避難するかを判断するうえで大切なことです。初期消火の限界は炎が天井に達するまでであり天井まで燃え移るほど炎が拡大してしまった時は避難が最優先です。

・逃げる知識「絶対にあきらめない!」「避難後、絶対に戻らない!」

非常口と避難経路を確認しておくこと、避難の際はみを低くして逃げるのが基本ですが煙は上から下へ層をなすようにして下っていくので床すれすれのところは空気が残っています。視界もはっきりしています、この空気を吸いながら避難する方法があります。身を低くすると言っても空気を吸うためには「アゴを床に付けるようにして手は肘まで付き足だけで進む」といた方法です。階段の場合は階段のコーナーに空気が残っています、足から降りて行き苦しくなったらコーナーの空気を吸いながら避難する軽く吸ってまた吸うを繰り返して避難します。今いる部屋に空気が残っている場合ポリ袋などに空気を入れその空気を吸いながら避難する方法もあります。

・誘導灯に従って

ビルなどの場合、誘導灯に従って避難します。防火シャッターの場合近くにくぐり扉があるので慌てずにそこから避難します。この時必ず扉は閉めてください。

マンション玄関から出れない場合は、ベランダから避難しますが下の階に行くハッチの場所などは事前に確認しておきましょう。仕切り板はけ破ることが出来るように作られています。またハッチやハッチから降りてくる場所には物を置かないようにしてください避難の妨げになりますしベランダは専有部ではなく避難のため共有部なのです。